今頃読んでます。大人気伊坂作品。ミステリーとは赴きが違う内容ですが、会話のテンポの良さは変わらずです。なので、読みやすい。
話はいささか読み取りにくいですが、単純に読んで現代社会の成り行き、状況を批判している作品でいいのかな?
読みやすいし上手いのだから、真正面から本格的にこういう思想のドラマとして作品を書いて欲しかったな。弟の彼女のように第3者目線から、客観的に観察しているような視点からの描写ではなく、偏ってでもこういう思想を持った人間とその社会を書けばもっと骨太な作品になっていたと思います。
なので、読んでみて何かインパクトに欠けるなと思ったのは、こういう話なのに踏み込んでいるように見えて、踏み込んでいなかったからかな。
そして、毎回伊坂作品を読んで思うことは、10代で読めばもっと面白さが分かったかもしれないということです。