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8/31/2009

20090828 まひるの月を追いかけて 恩田 陸

長編作品。恩田作品は確かに読みやすいです。この話もあっという間に読めました。登場人物が少ない割りに、各章の終わり(ひき)が上手くて、毎回新たな真実が明らかになっていくところは良かった。雑誌に掲載されていた作品らしいので、毎回読んでる読者には親切な連載だったと思う。

義理の兄が行方不明になったと聞いた主人公(妹)が、義兄の彼女と彼を探しに奈良へ旅に出る。義兄の仕事がライターで、取材に奈良に行っていたため、話の舞台が奈良、明日香地方になっていたけれど、どこでもいいような気もするし、旅をメインに書かなくてもいい気もした。

私の読解力が低いせいだと思うが、多分各章と各行き先の地のエピソードは繋がりがあったのだと思う。でも、そんなの必要ないような…。旅を始める時のあの不思議な気持ち、期待と不安と落ち着かなさ、とかの描写は良かった。(一箇所意味不明な文があったけれど)

行方不明の義兄がけっこう早めに登場したのは良いが、後半の義兄の「遠いところに行く」先が「出家」というのは、どうなんだ?突然過ぎるし、ある意味で意外性がない。「出家」が悪いということではなく、何か安直な結果。

この作者は、確かに、心情の描写や話の展開のもっていき方は上手いが、どうも人物設定が弱い。何か捉えどころがない。わざとそう書いているのかな。