発売当時、好評価を目にしていたので気になっていた作品。今さらですが、読みました。それとなく聞いていたあらすじから想像していた内容とは違い、けっこう面白かった。
清国と薩摩、そして時代のうねりの中にある時代の琉球王国については、詳しく知らないこともあり、興味深く読めた。王府のしくみや政治の考え方は大陸からの影響を大きく受けていたのかな。こういう設定が全部史実に基づくものだとしたら、琉球というところは江戸より華やかな感じがする。御内原(大奥みたいなもの)など、巫女と王妃と国母など敵対する存在が多くてびっくり。
大陸の大きさが小さく、地理的にたまたま大陸と日本を結び、航路の重要な位置だったばっかりに、両国から圧力をかけられてしまう。国土の広さって重要なんだな、と改めて認識。その地の利で他の国より劣ってしまう琉球王国は、それに対抗するかのように優秀な人材を集める。小国ほど人の力で国を守ろうとする。ゆえに、政府の求める人材は皆優秀になる。汚職をしたり、暗躍したりする役人達もなんとなく今の時代より優秀な人たちのように感じる(苦笑)。孟子とか呼んだ方がいいかな。
そんな、物語の設定はこの時代の日本を舞台にした作品の中では珍しくて、なかなか読みごたえがありました。
しかし、この話は設定が良かったからまだ読めた作品。内容と人物、物語の進行具合は一瞬「児童小説か?」というレベルの話でした。話というより表現方法が簡単だったのかな。
(清国の宦官で主人公・寧温を狙う徐丁なんて「蛇のような男」と書かれていたけど、本当に蛇みたいな肉体をもってるってどうなの?そういうことじゃないよね。おしゃべりだし。頭が良いのにあんな陳腐なセリフを吐くなんて…。)
1番の疑問、苦笑、違和感があったのはむやみに現代語カタカナを本文に持ち込んでいるところ!「ワークシェアリング」や「プロジェクト」、衣装の一部を「プリーツスカート」と言ってみたり、いつの時代なんだと読んでてちぐはぐな感じがした。大河小説にするなら、こういう言葉使いはきちんと決まりをつくって!カタカナ語以外にも現代口語の文があったり、変な擬音語がわざとらしかったりと、せっかく面白くなりそうな展開でも、こういう文章だとズッコケてしまう。
あらすじなどは下巻の時に書きます。
